『魔法の紙』

私はついに手に入れた。
信じられないほどの薄さなのに
絶対に破れる事が無く、色落ち・退色も皆無、
圧倒的な質感、確かな座屈感、理想の形状保持能力を持ち、
少しの狂いもない完璧な正方形……。
そう、私が今手にしているのは、究極の折り紙なのだ。


帰途に着きながら、この紙で何を折るかを考えた。
どんな物でも折れるような気がした。


その時、突如北風が私の手から紙を奪い去り、
紙は空高く舞い上がり、紙は近くの池に落ちた。
私が服を脱ぎ、冬の池に正に飛び込もうとした時、
池の中から女神が現れてこう言った。


「あなたが落としたのは、
 この金のホイル紙ですか?銀のホイル紙ですか?」


呆然とする私の頭上では、
なぜか太陽が悔しそうな顔をしていた。