『ぶあついカラペの子』

小さい頃からおかしいとは思ってた。
「カラペにしては厚すぎる」と兄弟にからかわれ、
「こんな色、カラペにはないわ」と母さえ首をかしげた。


ある日、生まれて初めて鏡をのぞき込んだ時、
疑念が確信に変わった。


「僕はいつか見たあの美しい白紙だったんだ!」



…だが果たして僕は白紙などではなく、
裏表のあるただの折り紙だっただっただっただった。